≡世界樹の迷宮SRS
世界樹の迷宮SRS (ログインテーブルトークRPGシリーズ)
- 作者: 遠藤卓司,F.E.A.R.
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2010/03/31
- メディア: 大型本
- 購入: 4人 クリック: 141回
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…コメントに困るタイトルだw
世界樹ファンにTRPGを紹介するには使える…のか?
原作(ATLUS)の監修範囲
ファーストインプレッション
プレイレポート
≡ローズ・トゥ・ロード
ローズ・トゥ・ロード (ログインテーブルトークRPGシリーズ)
- 作者: 門倉直人
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2010/03/27
- メディア: 大型本
- 購入: 14人 クリック: 229回
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遂に出たローズの新作。
これまでのTRPG観を覆すアーキテクチャで、評価が分かれている様子。
ファーストインプレッション
- 2010-03-26
- 道はどこまでも続く・・・ - 今一旅の 逢うコトもカナ
- 『ローズ・トゥ・ロード』新版、ファースト・インプレッション - Flying to Wake Island 岡和田晃公式サイト(新)
- 26年目の『ローズ・トゥ・ロード』: とけねこ先生の交差点ブログ
- http://d.hatena.ne.jp/polypousrace/20100402/1270456969
- 物語の3要素とTRPGとかWローズについて:(・_・) : 紙魚砂日記
- http://d.hatena.ne.jp/blue_jmn/20100402
- http://blog.talerpg.net/rpg/archives/1704
プレイレポート
インスト(キャラクターメイキング)
*1:門倉直人が『Wローズ』のPC「アムンマルバンダ」について推論として書いている
∈シナリオ作成モジュール「箱庭物語キット」の話
悩めるGMたちの参考になりそうな記事を探していたが、そういう自分はどのようにシナリオを作っていたのかについて。
物語の工学研究をしている友人らと、かつてシナリオ作成用のモジュールを作り、これを「箱庭物語キット」と名付けた。自分がTRPGから離れている間も、友人はそれを何度も修正しながら10年以上使い続けていたそうだ。硬直しているとも言えるが、変に悩まなくて済むし、特に困ってもいない。大変なのは自分なりの方法を確立するまでのことだから、出来てしまえば作り方に悩むことも、どうやって作っているかを考えることもなくなる。
書こうとしてみて分かった。だから漠然とした話が多いのだw
TRPGの活動を再開したときに、モジュールの最新版をもらったものが手元にある。現在は自分もこれを使用しているので、とりあえずこれについて、骨子と手順をまとめておく。これにダイスロールで色々決定できる表が付いたものが、実際に利用されるモジュールとなる。
表で補完されている箇所が多いため、あまり参考にならないかも知れないw
序列
シナリオ作成モジュール「箱庭物語キット」では、以下の序列で進める。
- 「イントロダクション」を設定する
- 「イントロダクションの数」を決定する
- 「イントロダクション要素」を設定する
- 「エイミング」を設定する
- 「エイミング」に従って「ビーイング」と「ワード」を設定する
- 「イントロダクション要素」をまとめて「イントロダクション」を設定する
- 「イベント」を設定する
- 「イントロダクション」から「イベント要素」を抽出する
- 「イベント要素」を設定する
- 「イベント要素」に含まれる「ポイント」を調節する
- 「イベント要素」をまとめて「イベント」を設定する
- 異なる「イントロダクション」をリンクさせる「リンクイベント」を設定する
- 「イントロダクション」から「イベント要素」を抽出する
- 「リバースイベント」を設定する
- 「ゴール」を設定する
- システムと摺り合わせてシナリオを完成させる
【1.イントロダクションを設定する】
1-1.「イントロダクションの数」を決定する
以下を鑑みて、イントロダクションシーンの数を決定する。
- システムに適したシナリオタイプ
- プレイヤーの人数
- PCの設定とデータ
シナリオの内容からイントロダクションの数を設定する方法もあるが、際限なく手が広がってしまうので、原則として最初に決めた数に収める。後でやりたいことが増えてしまった場合は、ネタを書き留めておいて別のシナリオに使う。
1-2.「イントロダクション要素」を設定する
最初に決めた「イントロダクションの数」だけ「イントロダクション要素」(エイミング、ビーイング、ワード)を設定する。
1-3.「イントロダクション要素」をまとめて「イントロダクション」を設定する
設定した「イントロダクション要素」をまとめて「イントロダクション」を設定する。
これを「イントロダクションの数」だけ繰り返す。
【2.「イベント」を設定する】
2-1.「イントロダクション」から「イベント要素」を抽出する
「イントロダクション」で設定された「イントロダクション要素」ごとに持っている「イベント要素」を抽出する。
- bold;">2-1-1.「イベント要素」を設定する:「イントロダクション」ごとに抽出された「イベント要素」を設定する。
- bold;">2-1-2.「イベント要素」に含まれる「ポイント」を調節する:「イベント要素」にはそれぞれ「ポイント」が設定されている。その「イベント要素」が「シナリオ」におけるプレイヤーの判断基準そのものなら5、判断材料が3〜4、どうでもいい小ネタが1〜2で、これらとゲームのルールがセットになったものが「ポイント」。全体の「イベント」で最大20、個々の「イベント」で最大(20×「イントロダクションの数」÷プレイヤーの数)に収まるよう調節する。
2-2.「イベント要素」をまとめて「イベント」を設定する
2-1で設定した「イベント要素」を「エイミング」ごとにまとめて「イベント」を設定する。
2-3.異なる「イントロダクション」をリンクさせる「リンクイベント」を設定する
2-1で設定した「イベント要素」ごとに近似値にあるものをチェックし、共通要素をまとめて「イントロダクション」の違うPC同士の出会いを演出する「リンクイベント」を設定する。
【3.「リバースイベント」を設定する】
これまでの「イベント要素」からランダムに1〜3項目を選択し、「リバース」の判定を行う。「リバース」したものは、これまでの設定を裏切るような背景を持つ。ただちに「リバース要素」を設定し、「リバースイベント」を作成する。「リバースイベント」の設定手順は「イベント」に準じる。
【4.「ゴール」を設定する】
1で設定した「エイミング」と「リバース」との設定から、シナリオの最終目的となる「ゴール」を設定する。「ゴール」の設定手順は「イベント」に準じる。
【5.システムと摺り合わせてシナリオを完成させる】
作成されたシナリオのディテールを掘り下げる。それぞれの設定と、システムのコンセプト、カラー、ルールなどを摺り合わせて、未設定部分の穴(「ビーイング」のデータや「ワード」の具体的な内容などの未設定箇所、抽象的だった設定部分、「ポイント」の具体的な判定基準など)を埋める。これらを設定することで、シナリオが完成となる。
≡"trpg","シナリオ","作り方"で検索してみた
「TRPG」「シナリオ」「作り方」でGoogle検索→約619,000件w
だが見た感じ「TRPG」ではなく「RPG」のシナリオの作り方が多い様子。とりあえずTRPGのものを10件だけ読んで拾ってみた。(うち「Blade of Arcana シナリオ作り方講座」は「実践的シナリオ作成講座」へ移動)
【大谷大学TRPG同好会psyころ】
- dfltweb1.onamae.com – このドメインはお名前.comで取得されています。・[http
- //trpg.shimas.biz/pena_kora/kaityou01_2.htm:title]:音楽(特に歌)の持つストーリー性をそのままシナリオに転用する話。小説などに比べて情報量が少ないが、キーワードで連想させる手法はTRPGのマスタリングに近いかもしれない。また、情報量が少ないので解釈次第で何度もアレンジ出来る強みがあるか?
- dfltweb1.onamae.com – このドメインはお名前.comで取得されています。
- 作業の順番をあっさりまとめたもの。構想→(準備)→シミュレート→最終確認。
【TRPG 実験室】
- http://homepage1.nifty.com/urabetti/trpg/labo2.htm
- Tips集。
- http://homepage1.nifty.com/urabetti/trpg/labo3.htm
- シナリオ作成とは異なるが、ハンドリングを考えて、シナリオ作成の段階であれこれ準備しておくのは大事なので。ポストイットはトランプと組み合わせてよく使う方法。
【私のシナリオ作成術】
- http://www.geocities.co.jp/Playtown-Yoyo/2875/03/scenario1.html
- シナリオ作成の要点(概要)。前半はシナリオを作り慣れた人が読んで、自己分析をする方が大きいか。初めてシナリオを作る人は、冒頭から半分すっとばして後半の「2:私のシナリオメイキング」から読んだ方がいいかも知れない。
- http://www.geocities.co.jp/Playtown-Yoyo/2875/03/scenario2.html
- NPCの物語(サブシナリオ)を先に作って、そこからPCたちの物語(メインシナリオ)を作る話。物語をらせん構造にする手法はよくあるが、どう表現すれば良いのかが分からない、ということは良くある。そこでNPCに語らせてしまうというひとつの方法が提案されている。(NPCの話す物語として語ることで、GMは話しながらプレイヤーの関心の度合いが計れる。一見安直だが便利な手法ではないか)
- http://www.geocities.co.jp/Playtown-Yoyo/2875/03/scenario3.html
- ひとつのアイデアから作り上げる手法。場面選択について「世界の利益」「PC全体の利益」「敵へのダメージ」「成功率」を数量化して、葛藤が生じるように調節する話は面白い。
- http://www.geocities.co.jp/Playtown-Yoyo/2875/03/scenario4.html
- 前半はシナリオ作成の手順、後半はそのシナリオが破綻していく過程が書かれている。「どうせシナリオは崩れるんだ」とは至言だが、そのためにはPCが動ける「場」を作れという。上記「TRPGのストーリーの作り方」の「3−2.柔軟な対応」でも同じことが言及されている。
≡実践的シナリオ作成手順
きっと永久に「絶対のひとつ」は生まれないテーマw
【0から始めるシナリオメイキング】
- 0から始めるシナリオメイキング STEP1 - /masa漫遊記〜TRPGもあるよ
- 0から始めるシナリオメイキング STEP2 - /masa漫遊記〜TRPGもあるよ
- 「事件」と「目的」を設定する。
- 「事件」の種類は大まかに三つ。一つの「事件」の中に複数の要素が入ることもある。
- 0から始めるシナリオメイキング STEP3 - /masa漫遊記〜TRPGもあるよ
- アイデアを元に「PCとの関係」を設定する。
- PCの数はだいたい3〜5人を基準にする。
- よって事件に関わる方法やシチュエーションは最大5パターン用意すれば足りる。
- 0から始めるシナリオメイキング STEP4 - /masa漫遊記〜TRPGもあるよ
- これまでに決めた設定を肉付けする。
- 設定を箇条書きにしていき、それぞれの設定の関係を強化するために設定を膨らませる。
- 0から始めるシナリオメイキング STEP5 - /masa漫遊記〜TRPGもあるよ
- これまでに決めた設定からシナリオの概要を書き出していく。
- ここでチェックを行い、ミスがあったら肉付けのステップに戻る。
- 0から始めるシナリオメイキング STEP6 - /masa漫遊記〜TRPGもあるよ
- 「オープニング」(どういう始めかたで、PCを事件に関わらせるか)を設定する。
- PCの人間関係を元に決定していく。
- 0から始めるシナリオメイキング STEP7 - /masa漫遊記〜TRPGもあるよ
- 「クライマックス」と「エンディング」を設定する。
- 「クライマックス」はシチュエーションのイメージが決まっていなければ後回しでも良い。
- 「エンディング」はシナリオ、PCの目的達成、人間関係の変化などの演出。これは変化しやすいため、基本的な流れ(予想される展開?)について参考程度に書いておけば良い。
- 0から始めるシナリオメイキング STEP8 - /masa漫遊記〜TRPGもあるよ
- ゲーム内でPCに開示する「情報」をまとめる。
- オープニングとクライマックスの間に起こる「イベント」を設定する。
- 「イベント」は「オープニングの補強」「クライマックスへの誘導」「PCの活動の障害」などがある。
- 0から始めるシナリオメイキング STEP9 - /masa漫遊記〜TRPGもあるよ
- テストプレイ(シナリオのシミュレーション)をする。
最近GMをやり始めた人たちのアンケート結果では、「シナリオ作成ガイド」って抽象的なものが多くて、「で?」とか「それで結局、何をどうすればいいの?」って人が多かった。こうした記事が期待されているのかもしれない。
【Blade of Arcana シナリオ作り方講座】
『Blade of Arcana』というシステム用のシナリオの作り方。ルールブックで紹介されている手順について、悪役のパターン、演出手法など、より詳しく解説。サンプルシナリオ『髑髏の仮面』の実例も併記。
○「GMは大変?」
先日の集まりで「GMは大変か?」について話を振ってみたところ、面白い話になった。全部文字起こしするのは面倒なので、話の流れで大事そうな台詞をまとめっぽく。(語尾はてきとー。共通する言葉はなるべくひとつにまとめる。双子の声の区別なんか付かないw)
TRPGの楽しさ
「GMは大変」って本当に?
GMならではの楽しみって何?
プレイヤーならではの楽しみって?
- 先が分からないこと?
- でもパターン多いよな?
- (パターンでも)予想外のことって無い?
- (パターンでも)組み合わせ次第だからなあ。
- でもそれはGMも同じじゃね?w
- なんか違うんだよ。きっと。
- でもパターン多いよな?
- GMは先は分かるんじゃない?
- 「分かる」ってより「決められる」って感じじゃね?
- じゃあプレイヤーは先が決められない楽しみ?
- 翻弄される楽しみ?
- マゾ?w
- 「分かる」ってより「決められる」って感じじゃね?
- あとPC一人だとリアルに感じやすいってのはあるかも。
- 「楽しみ」じゃないけど「楽」じゃない?
- 準備の手間はないよな。
- 準備が無いから楽しみに出来るとか?
- 準備があっても楽しみじゃね?
- キャラの成長予定とかの準備はあるよね?
- キャラの成長プランとか考えるのは楽しいでしょ。
- プレイヤーやっててもGM目線で見ちゃうから分からねえw
- あるあるw
- もうあの頃には戻れないw
- 『ハンターズムーン』なら戻れる!w
- あれはGM目線とか関係ないもんねw
吟遊詩人?
遊び方の違い?
『Aマホ』『ハンターズムーン』
『Aマホ』で一番面白いのはSD
- SDやって観戦するのも面白いw
- 条件を出すだけでプレイヤーが面白いアイデアをどんどん出してくれるw
- 変な成功要素が出されたときにシチュエーション考えるのも面白いw
結局GMって大変なのか?
シナリオ作るのは大変かも?
- 一人でシナリオ作るのは大変だと思う。
- ここで集まってシナリオ作るのは楽だと思うw
- シナリオを作るシナリオとか全員村人プレイとかでシナリオ作るとすごい楽w
- そういうセッションは珍しいらしいぞw
- 嘘だっ!ww
- シナリオが無駄に分岐しまくると大変w
- そして未完のままアドリブで実施して玉砕w
- そんなシナリオ書くな!ww
- そして未完のままアドリブで実施して玉砕w
休む暇が無いのは「大変」かもしらんねw
- でも他のプレイヤーの行動ただ見てるだけの時間の方が苦痛じゃね?w
- 自分で進めたくなるよな?w
- つまりGM向きの人間ってのは「退屈が苦痛な人間」のことだったんよ!!
- な、なんだってぇー!!www
最後はともかく、このグループの居心地の良さの理由は良く分かった。なにこのポジティブシンキングw
◎ハンターズムーンを遊んできた
ホラーアクションRPG ハンターズ・ムーン(Role&Roll Books) (Role & Roll Books)
- 作者: 齋藤高吉,冒険企画局
- 出版社/メーカー: 新紀元社
- 発売日: 2010/02/13
- メディア: 新書
- 購入: 7人 クリック: 179回
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友人がえらくプッシュしていた「サイコロ・フィクション」シリーズ。
その最新作の『ハンターズムーン』を昨日、遊んできた。
以下、簡単な感想。
「サイコロを振ること自体が楽しい」
- ダイスロールが必ずシチュエーションに直結している
- ダイスロールが全てクリティカルな価値を持つ
基本的に無駄なダイスロールというものがない。成功はチャンスにつながっているし、失敗はピンチに直結している。昔のTRPGのように、「判定してもしなくても大して変わらない」ということがない。またダイスロールの基準になる特技や、戦場となるロケーション(戦闘中に使用するオプションルールのパック)もダイスで決めるので、一振りに緊張感がある。
ダイスロールの目標値が、2D6で5+αというのも絶妙なバランス。戦闘での「攻撃」成功率は83.3%と非常に高く、ダイス目の偏りで戦闘が短調になる確率は低い。ダメコンの「防御」判定で、リソースマネジメントを楽しむ設計。ただし部位ダメージで特技が使えなくなると、ワンサイドゲームになる可能性が一気に上がるので、モノビーストに部位ダメージを受けたときの部位決定ロールは生きた心地がしないw
逆に追跡フェイズの判定は、同じ行動について複数のPCのうち誰かが成功すれば良いので、成功率は低め(運が良ければ83.3%、でも普通は58.3〜16.7%程度)になるようになっている。早めに誰かが成功すれば、「練習」で有利になれる(可能性がある)のも、ダイスロールに思わず力が入る設計になっている。
「【命題:情報はPCが管理する】の完成形?」
- 情報はダイスロールの成果である
- 情報は全てゲームクリアに重要な価値を持つ
このゲームで重要な情報は「弱点」「習性」「特技」「アビリティ」の4つ。そのうち「弱点」と「習性」は、追跡フェイズにそれぞれ「弱点調査」と「習性調査」を行えば分かる。「特技」と「アビリティ」は戦闘フェイズで自然と明らかになっていく。全て「PCの経験を通して」しか知ることが出来ない。
追跡フェイズの「弱点調査」と「習性調査」で得られる「弱点」と「習性」は、それぞれ「モノビーストに高確率で止めをさせるようにする」ことと、「モノビーストの手数を減らすための戦術を組み立てる」ために、非常に重要となる。前者は部位ダメージのダイスロールに力が入る原因となり、後者もセッション毎に異なる戦術を立てたり、リソースマネジメントに関わるダイスロールで一喜一憂するきっかけを作る設計。
「【命題:プレイヤーとPCの能力の分離】の完成形?」
- プレイヤーの知識と得られる情報が分離しているのでプレイヤーの知識はゲームに影響しない
- プレイヤーとPCを分けることでプレイヤーとPCがイコールになる不思議w
プレイヤーはPCの行動によってのみ必要な情報を入手する。入手される情報はプレイヤーの知識と関係なく、完全にゲームに特化された情報のみである。またドライでデジタルなルール(ex.同じアイテムを2個持てない)が、プレイヤーの知識がゲームに影響することを予防している。
驚くべきことに、『ハンターズムーン』ではPCの知識がデータ化されていない。頭脳労働に関係しそうな特技も「考える」と「憶える」の二つだけで、これらはプレイヤーの知識と衝突しない。PCの行動をキャラデータで判定出来ないから、プレイヤーが考えなければならない。
これまでのTRPGでも、PCを独立した一個人としたいプレイヤーたちは「PCとプレイヤーの能力は別だ」と言っていた。しかし知識系技能の中に、戦闘中の戦術立案に関する技能が無いことで、それはダブルスタンダードだ(なんとか知識については技能や能力値に拠れというのに、戦闘中だけはプレイヤーの頭脳全開で判断している)という反論もあった。こうした問題は、TRPG以外のボードゲームでは特に取り沙汰されることがなかった(PCとプレイヤーが同じなのは当然)が、『ハンターズムーン』はTRPGをボードゲームライクにすることで、問題を解決したようだ。