∈シナリオ作成モジュール「箱庭物語キット」の話
悩めるGMたちの参考になりそうな記事を探していたが、そういう自分はどのようにシナリオを作っていたのかについて。
物語の工学研究をしている友人らと、かつてシナリオ作成用のモジュールを作り、これを「箱庭物語キット」と名付けた。自分がTRPGから離れている間も、友人はそれを何度も修正しながら10年以上使い続けていたそうだ。硬直しているとも言えるが、変に悩まなくて済むし、特に困ってもいない。大変なのは自分なりの方法を確立するまでのことだから、出来てしまえば作り方に悩むことも、どうやって作っているかを考えることもなくなる。
書こうとしてみて分かった。だから漠然とした話が多いのだw
TRPGの活動を再開したときに、モジュールの最新版をもらったものが手元にある。現在は自分もこれを使用しているので、とりあえずこれについて、骨子と手順をまとめておく。これにダイスロールで色々決定できる表が付いたものが、実際に利用されるモジュールとなる。
表で補完されている箇所が多いため、あまり参考にならないかも知れないw
序列
シナリオ作成モジュール「箱庭物語キット」では、以下の序列で進める。
- 「イントロダクション」を設定する
- 「イントロダクションの数」を決定する
- 「イントロダクション要素」を設定する
- 「エイミング」を設定する
- 「エイミング」に従って「ビーイング」と「ワード」を設定する
- 「イントロダクション要素」をまとめて「イントロダクション」を設定する
- 「イベント」を設定する
- 「イントロダクション」から「イベント要素」を抽出する
- 「イベント要素」を設定する
- 「イベント要素」に含まれる「ポイント」を調節する
- 「イベント要素」をまとめて「イベント」を設定する
- 異なる「イントロダクション」をリンクさせる「リンクイベント」を設定する
- 「イントロダクション」から「イベント要素」を抽出する
- 「リバースイベント」を設定する
- 「ゴール」を設定する
- システムと摺り合わせてシナリオを完成させる
【1.イントロダクションを設定する】
1-1.「イントロダクションの数」を決定する
以下を鑑みて、イントロダクションシーンの数を決定する。
- システムに適したシナリオタイプ
- プレイヤーの人数
- PCの設定とデータ
シナリオの内容からイントロダクションの数を設定する方法もあるが、際限なく手が広がってしまうので、原則として最初に決めた数に収める。後でやりたいことが増えてしまった場合は、ネタを書き留めておいて別のシナリオに使う。
1-2.「イントロダクション要素」を設定する
最初に決めた「イントロダクションの数」だけ「イントロダクション要素」(エイミング、ビーイング、ワード)を設定する。
1-3.「イントロダクション要素」をまとめて「イントロダクション」を設定する
設定した「イントロダクション要素」をまとめて「イントロダクション」を設定する。
これを「イントロダクションの数」だけ繰り返す。
【2.「イベント」を設定する】
2-1.「イントロダクション」から「イベント要素」を抽出する
「イントロダクション」で設定された「イントロダクション要素」ごとに持っている「イベント要素」を抽出する。
- bold;">2-1-1.「イベント要素」を設定する:「イントロダクション」ごとに抽出された「イベント要素」を設定する。
- bold;">2-1-2.「イベント要素」に含まれる「ポイント」を調節する:「イベント要素」にはそれぞれ「ポイント」が設定されている。その「イベント要素」が「シナリオ」におけるプレイヤーの判断基準そのものなら5、判断材料が3〜4、どうでもいい小ネタが1〜2で、これらとゲームのルールがセットになったものが「ポイント」。全体の「イベント」で最大20、個々の「イベント」で最大(20×「イントロダクションの数」÷プレイヤーの数)に収まるよう調節する。
2-2.「イベント要素」をまとめて「イベント」を設定する
2-1で設定した「イベント要素」を「エイミング」ごとにまとめて「イベント」を設定する。
2-3.異なる「イントロダクション」をリンクさせる「リンクイベント」を設定する
2-1で設定した「イベント要素」ごとに近似値にあるものをチェックし、共通要素をまとめて「イントロダクション」の違うPC同士の出会いを演出する「リンクイベント」を設定する。
【3.「リバースイベント」を設定する】
これまでの「イベント要素」からランダムに1〜3項目を選択し、「リバース」の判定を行う。「リバース」したものは、これまでの設定を裏切るような背景を持つ。ただちに「リバース要素」を設定し、「リバースイベント」を作成する。「リバースイベント」の設定手順は「イベント」に準じる。
【4.「ゴール」を設定する】
1で設定した「エイミング」と「リバース」との設定から、シナリオの最終目的となる「ゴール」を設定する。「ゴール」の設定手順は「イベント」に準じる。
【5.システムと摺り合わせてシナリオを完成させる】
作成されたシナリオのディテールを掘り下げる。それぞれの設定と、システムのコンセプト、カラー、ルールなどを摺り合わせて、未設定部分の穴(「ビーイング」のデータや「ワード」の具体的な内容などの未設定箇所、抽象的だった設定部分、「ポイント」の具体的な判定基準など)を埋める。これらを設定することで、シナリオが完成となる。